業者に依頼するのではなく、エアコンの取り付けや取り外し、または修理を自分でDIYすることはできるのでしょうか。DIYをするのは不可能ではありません。しかし何も知識がないまま取り組むわけにはいかないので、まず取り付け方法・修理方法と流れを知る必要があります。そして、注意点を知ったうえで慎重に作業に入ることも重要です。
今ページを参考にして、不安なく自分でDIYできそうかを判断してみてください。そして、自分で作業をすると決めた方は、手順と注意点を参考に進めてみましょう。
目次
エアコンの取り外しを自分で行う方法
引越しをする際や新しいものに交換する際には、既存のエアコンを取り外す作業が必須です。取り外しを業者に依頼すると費用が高くなってしまうし…と考えて、自分で取り外そうと考える方もきっといらっしゃるでしょう。しかし、エアコンは重い上に壁の天井付近に設置されているため、一人で取り外しをするのは簡単ではありません。
エアコン取り外し作業をDIYでおこなって失敗する方もみえるため、作業に取り掛かる前にやりかたを確認し、自分でもできそうかじっくり考えて判断することが大切です。
エアコンを取り外すまえの準備
エアコンを取り外す前に、取り外しに必要な道具をそろえ、エアコンの状態を確認しましょう。方法と手順は以下の通りです。
1.取り外す手順の確認
まずは取り外しの手順を大まかに把握します。
2.道具の準備
エアコンの取り外しには、以下の道具が必要です。ニッパーなどの工具は簡単に購入できるので、ホームセンターなどで探しましょう。空いている穴を塞ぐためのキャップなども、忘れないように準備します。
最低限必要な工具 | 最低限必要な道具 | 穴をふさぐために必要な道具 |
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3.エアコンが設置されている状況を確認する
ご自宅のエアコンがどう設置されているのか、室外機とのつながり、そしてエアコンの搬出経路を確認しておきます。設置状況によっては他の道具も必要になるかもしれませんので、状況に応じて必要な道具をそろえます。状況確認が終わったら、取り外しの際に周囲を傷つけることがないよう、厚手の布で床や壁をカバーするのがおすすめです。
エアコンを自分で取り外す方法・手順
1.エアコンの室外機についているカバーを取り外す
プラスドライバーで室外機の側面にあるネジを緩めます。このとき、キャップやネジは捨てずに残しておきます。作業時は電源コードに触れないように注意します。
3.六角ナットのバルブキャップを外す
モンキースパナで2つの六角ナットを外します。
3.強制冷房運転をしてフロンガスを室外機に回収する(ポンプダウン)
取り外しの際にフロンガスが空気中に逃げてしまわぬよう、室内機・パイプに内在する空気を室外機に取り込みます。強制冷房の方法はエアコンの機種やメーカーによって異なるので確認しましょう。
4.ポンプダウンを完了させる
送り側のバルブ(細い方)を先に閉め、2、3分放置するようにします。その後受け手側のバルブ(太い方)を閉めれば、ポンプダウン完了です。
5.コンセントを抜いて、バルブにキャップをはめて配管を外す
運転を停止し、コンセントを抜きます。最初に外したキャップを元通りに取り付け、モンキースパナで閉めます。
次に細いパイプから太いパイプの順に、ナットを外します。このときにもしもプシュッという音が連続して出るようならば、ポンプダウン作業をやり直します。
6.電源コードを黒→白→赤の順番で切断する
電源コードを順に切ります。灰色コードを切るときは、付け根より10センチメートル以上の余裕を持って切断します。
7.室外機を傷がつかないように取り外す
地面に固定されている室外機のボルト・ナット部分を、ドライバーで外します。
8.室内機の配管を切断して室内機を取り外したら、穴を埋める。
配管を本体より1メートル以上残して切断した後、室内機も取り外します。大抵のエアコンは壁側の面で金属に吊り下げて固定されています。押すマークを見つけ、そこを押しながら配管を下に出しましょう。取り外した後に壁に残る取り付け金具は、捨てずに保管します。
エアコンを取り外すときにおこなってはいけないこと
これらの事に注意しないとエアコンを正常に外すことができません。ステップごとに慎重に作業を進めましょう。
エアコンの取り付けを自分でおこなう方法
エアコンの取り付けは取り外しに比べ一段と難しい作業になります。特にエアコンの取り付けで大変なのが、真空引きとフレア加工と呼ばれる作業です。DIYでこれらの作業をおこなうのは非常に難しいので、少しでも無理だと思ったら業者に依頼しましょう。
エアコンを自分で取り付けるまえの確認事項
1.エアコン室内機を取り付ける部屋の高さや幅の確認
取付板を設置することを考慮すると、天井(または廻縁)とエアコンの間隔は、少なくとも4センチメートル必要です。
2.エアコン用コンセントの確認
近くのコンセントを確保します。供給電圧が適切か、ブレーカーの容量が十分にあるかも確認します。これら2つをクリアしていなければ、電気工事が必要ですので、資格を持つ業者に依頼をしましょう。
3.冷媒管が通る穴の有無について確認
冷房通があるか確認します。ない場合には、工具を使用して壁に穴を開けます。
4.室外機を置くスペースの確認
ベランダや家の壁周りに室外機を設置する際は、左右後ろに5センチメートル以上の間隔が必要です。希望の場所に置けるかということ以外に、室内機と接続できる位置か、風の排出面に十分なスペースがあり方向は適切か、風通しがよい場所か、などを手掛かりに場所を決めましょう。
エアコンを取り付ける際に必要なもの
小さめの工具や消耗系の道具を自分でそろえることは比較的容易ですが、本格的な工具は購入するにはかなりお金がかかります。どうしてもDIYでおこないたい場合は、工具をレンタルすると費用を抑えられるでしょう。ホームセンターやネット上では道具をセットでレンタル・販売していることもあるようです。
レンタルすべき道具 | 購入するほうがいい道具 |
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エアコンを自分で取り付ける方法・手順
エアコン取り付けでよくあるトラブル事例
特に難しい取り付け作業では、
というような不安要素がトラブルを招きます。据付板がしっかりと固定されていないと、エアコンが落下する危険性がありますし、フレア加工がうまくいかないとガスが漏れエアコンが正常に機能しません。トラブルを回避するためにも、エアコンの取り付けは、できれば業者に依頼されることをおすすめします。
エアコンの修理をおこなう前に自分でおこなえること
エアコンの調子が悪いときには、故障しているからエアコン修理が必要だと考えることもあるでしょう。しかし、「暖房・冷房の効きが悪い」という悩みは、必ずしも故障が原因だとは限りません。エアコン修理をする前にできる対処法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
エアコンの効き目が悪いときの原因
効き目が悪い時には、【汚れ】か【故障】のどちらかが原因である可能性が高いです。
エアコンの室内機と室外機をチェックしてみて、ほこりやゴミが溜まっているようであれば【汚れ】が原因といえます。空気の流れが重要なエアコンにとって、ゴミやほこりの存在は稼働の妨げにしかなりません。しかし、しっかりと内部をきれいにすれば元通りに運転してくれるでしょう。
エアコン内部を掃除しても直らない場合は、エアコンの【故障】が原因だと考えられます。正しく機能しない原因がどこにあるのか、室外機からのガス漏れが発生しているなどの異常が見られるかなど、修理するためにいくつかの事項を確認し、適切な処置を取ることが大切です。
汚れが原因のときの対処方法
汚れが原因の場合にはエアコンを掃除しましょう。エアコン掃除では、【フィルター】と【室外機】をきれいにします。
部屋の空気中のほこりが、エアコンに吸収される前に絡め取っているのがフィルターです。フィルターにゴミが溜まっていると、フィルターの隙間が閉ざされ、部屋の空気を十分に吸収することができなくなります。つまり、部屋の空気と外からやってくる空気を上手く循環させることができなくなってしまうのです。
空気の循環をよくするためには、フィルターを掃除します。フィルターを取り外す前に掃除機で大まかにほこりを吸収します。その後取り外したフィルターをシャワーで流しながらきれいにします。このとき、フィルターの裏面からシャワーをかけるのがポイントです。
次は室外機の掃除です。エアコンから出てくる空気の温度は室外機で調節されます。室外機は熱交換器として空気を冷やしたり温めたりしてくれるのです。しかし、ほこりが原因で不要な熱が外に排出されないと、作業効率が低下してしまいます。
室外機の掃除は案外簡単です。まずは室外機を邪魔する蜘蛛の巣や葉っぱ、ほこりをほうきで取り除きます。その後掃除機でさらにきれいにします。室外機の周りに熱の排出を妨げるようなものがあれば遠ざけることも大切です。
故障が原因のときの対処方法
掃除をしてもまだエアコンの効きが悪いときには、どこかに異常がないか確かめましょう。
1.電源が入るか確認する
まずは電源の確認です。ブレーカーが落ちていないか、コンセントはしっかりささっているかを確認した後、リモコンを使わずに直接電源を入れた場合には作動するかどうかを調べます。これで電源が入らない場合には、室内機や電源事態に異常がある可能性があります。
2.室外機・室内機の動作確認をする
室内機・室外気が正常に作動しているかを確認します。エアコンの電源をオンにしたまま、室外機から熱い空気が排出されているかをチェックします。そして、室内機のファンの動きに異常がないかも見てみましょう。
3.ガス漏れの有無について確認する
ガス漏れは、配管パイプの欠陥、施工の失敗、初期不良、ガス抜けが原因で起こる症状です。ガス漏れでガスが減っている場合にはガス補充をする必要があります。また、パイプが壊れている場合にはパイプの修理または交換も必要です。
4.エアコンの自己診断機能で診断する
エアコンには自己診断機能があります。自己診断機能で原因が特定できる場合がありますので、何をやっても故障場所がわからない場合には使ってみましょう。メーカーによって診断結果の確認の仕方は異なるので、インターネットで調べるなどして確認するとよいでしょう。
まとめ
今回はエアコンの取り外し・取り付け・修理の方法をご紹介しました。内容を短くまとめると次の通りです。
- 取り外し・取り付け作業前は、注意点や手順をしっかり確認する
- 取り付け作業は道具に費用がかかる上、作業が容易ではないのでDIYは難しい
- エアコンの効きが悪い時は【汚れ】と【故障】を疑う
- エアコンの掃除はフィルターと室外機を中心に
- 故障のときは、各部分の動作を確認する/li>
- 少しでも不安に思ったら無理せず業者に頼る
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メディア情報
日本経済新聞2020/2/25 掲載
朝日新聞デジタル2019/7/23 掲載
日刊工業新聞2019/7/5 掲載
KBC九州朝日放送2019/5/21 放送
FOR YOU
テレビ朝日2019/5/7 放送
ワイドスクランブル
日経産業新聞2019/3/26 掲載
「困りごと解決-140種対応「アマゾン」目指す、個人同士の基盤作りも」
読売テレビ2018/9/19 放送
かんさい情報ネットten.
BSジャパン2018/8/16 放送
日経プラス10
テレビ番組や新聞に当社事業やサービスについて取り上げられました。