エアコンの取り外しと処分をしたい場合に、注意すべきポイントがたくさんあることをご存知でしょうか?エアコンを粗大ごみとして回収してもらおうと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はエアコンは粗大ごみとして回収してもらうことはできません。エアコンの処分には様々な方法があり、処分の方法によってかかる費用が変化します。
ここではエアコンの回収方法や手順、金額の目安や相場などを説明し、エアコンを処分する際に注意すべきポイントについて紹介していきます。エアコンの処分をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
エアコン取り外しにかかる処分費用の目安
エアコンの取り外しにはどのような費用がかかるのかをご存知でしょうか。エアコンの取り外しにかかる費用はエアコンの破棄方法や製造年月にも左右され、取り外し作業当日に思わぬ追加費用が発生することもあります。
ここではエアコン回収費用の内訳について、破棄方法と製造年月によって左右される費用について、どのような場合に追加費用が発生するのかについて紹介します。
エアコン回収費用の内訳
取り外し作業
設置の条件や取り外すためにかかる人数によって左右されます。
リサイクル料金
エアコンのメーカーや機種によって左右されます。大手の国産メーカーなどは処分費用が比較的安価です。
運搬収集費
建物にエレベーターがあるかどうかなどによって左右することがあります。
エアコンの取り外しにかかる時間は設置条件にもよりますが、だいたい30分から1時間ほどかかります。
破棄方法によって、費用が変動する
エアコンを破棄する方法は主に4つあります。それらの処分方法と内訳について紹介します。
リサイクルショップに買い取ってもらう
捨ててしまうのではなく、中古家電として売ることができます。値段はエアコンの機種や状態などによって異なります。この場合、エアコンの取り外しは自分で行うか業者へ依頼することになりますが、リサイクルショップの中には取り外し作業をしてくれるところもあります。
リサイクルショップへ買取をお願いした場合は、取り外し料と収集運搬料がかかります。
自治体にお願いする
どうにも破棄できないという場合は、自治体の廃棄物対策窓口へ問い合わせましょう。回収業者を紹介してくれたり処分を手伝ってくれたりするなどの対応をしてもらえます。この場合リサイクル料が必要となります。
自治体へお願いした場合はリサイクル料と取り外し料、収集運搬料がかかります。
新品を購入して今あるものを処分する
新しいエアコンを購入しようと考えている場合は、購入先の家電量販店に古くなったエアコンの処分を依頼しましょう。エアコンの取り外し料金は、新しいエアコンの取り付け料金に含まれることが多いです。
家電量販店へお願いした場合は、リサイクル料と収集運搬料がかかります。
自分で取り外して持ち込む
自治体には指定取引所があります。そこへ自分でエアコンを持ち込み廃棄してもらう方法もあります。エアコンの取り外しはしてもらえないため、自分で取り外すか業者へ取り外しを依頼しましょう。
指定取引所へ持って行く場合はリサイクル料のみかかります。取り外しを業者へ依頼した場合は取り外し料も追加でかかります。
エアコンが製造年月で、費用が変動する
エアコンの製造年月によって回収にかかる費用が変わる場合があります。
製造から5年以内の場合
使用しているエアコンが製造されてからまだ5年以内の場合は、リサイクルの対象品とみなされ、回収してもらうための費用が高めになる可能性があります。
製造から5年以上経過している場合
使用しているエアコンが製造されてから5年以上経過している場合は、リサイクルの対象にはならず、回収費用が安くなる可能性があります。
追加費用が発生するケースもあります
以下のような場合には、追加費用が発生することもあります。
エアコンの室外機の位置
室外機が床に置くタイプではなく屋根上や天吊り、壁面に設置されている場合などは、特殊工事が必要になるため追加費用が発生します。
処分するものがある場合
化粧カバーやコンクリートブロックなどを処分する場合は、別途追加費用が発生します。
このように追加費用が発生するケースもあるため、事前に確認できることは確認しておき、なるべく追加費用が発生しないように注意しましょう。
エアコン回収の流れは3ステップ
ここでは、業者へエアコンの回収や処分を依頼した場合の流れを3ステップに分け、段階ごとに詳細を説明していきます。また、エアコンの取り外しのみを依頼した場合に注意すべきポイントについても、ご紹介していきます。
【ステップ1】エアコン取り外し/引き取りを依頼する
業者を利用してエアコンの回収や処分を行う場合、まずは業者へ取り外しや引き取りの依頼をします。現在はインターネットを使用してウェブページから予約を取ることができる業者が増えてきました。インターネットや電話などで回収業者へエアコン回収の見積りを依頼しましょう。依頼の流れは以下のようになっています。
・インターネットや電話などでエアコン回収の見積りを依頼する
・出張見積りの予約日を相談する
・業者の出張見積りを受ける
・中古品の買取なのか、故障品の廃棄なのかを相談する
・買取の場合は査定を受ける
【ステップ2】エアコンの取り外し作業
予約が完了したらエアコンを取り外してもらいます。以下の手順でエアコンを取り外していきます。
1. 室外機のカバーを外し、バルブキャップを外す
2. ポンプダウン作業を行う
ポンプダウン作業とは、配管パイプ内にあるフロンガスを室外機へ送って封じこめる作業のことです。この作業は難しいとされているため、業者への依頼が一般的です。
3.送り側と受け側のバルブを閉め、ポンプダウンを完了させる
4.エアコンの運転停止
5.電源コンセントを抜く
6.バルブキャップを装着する
7.配管を外し、ポンプダウンが成功しているか音で確認する
8.電源コードの切断
感電の恐れもある危険な作業です。
9.室外機を撤去する
室外機は非常に重いため、運ぶ際は注意が必要です。
10.室内機を撤去する
【ステップ3】エアコンの搬出・回収作業
エアコンと室外機を取り外した後は、それらを搬出し回収します。室外機を運ぶ際には注意が必要です。室外機の重さは40キログラムほどあります。素人が運ぶのは危険であるため、業者の人に運んでもらうようにしましょう。
取り外しのみを依頼する場合の注意点
取り外しのみを依頼する場合は、自分で処分する必要があります。この場合、以下のことに注意しましょう。
・自治体指定の処分所を利用する場合は、申請をした後自分で処分場へ運ぶ必要がある
・動作するエアコンの買取をしてもらう場合、取り外した後では動作確認ができず、買取が不可になる可能性がある。この場合業者に取り外してもらった証明書や領収書があれば、買取が可能となるケースもあります。
ここには気を付けたい!エアコンの取り外しと破棄で気を付けるべき4つのこと
エアコンを処分する際に知っておくべき予備知識があります。ここではそれらの予備知識を4つに分けて紹介します。業者選びをする中で注意すべきポイントなども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【その1】エアコンは粗大ゴミに出せない
エアコンは家電リサイクル法の対象品目であるため、粗大ごみとして出すことができません。エアコンを処分したい場合には家電量販店へ引き取ってもらうか、自治体の指定引取り所へ持ち込み処分するようにしましょう。
【その2】リサイクル料金が発生する
故障したエアコンを廃棄処分する場合に気を付けるべきポイントは、リサイクル料金が必要になるということです。家電リサイクル法によって動作しなくなったエアコンを破棄処分する場合には、リサイクル料金を支払わなければなりません。動作するエアコンの場合は、リサイクルショップで中古品として買取をしてもらえるため、リサイクル料金は発生しません。
【その3】故障したエアコンは買取不可
エアコンが故障している場合は、リサイクルショップでの買取が不可能となります。故障したエアコンの中には金属などリサイクルして利用できる資源が多くあります。故障していてもリサイクルしなければならないため、リサイクルショップでの買取が不可能である場合は、リサイクル料金を支払い処分しなければなりません。
【その4】違法な業者には注意が必要
エアコン取り外し業者の中には違法な業者も存在します。違法な業者はエアコン内にある資源目当てで買取を申し出てきます。しかし、そのような業者は換金できる資源部分を回収したら残りは不法投棄するなど悪質です。
違法な業者に買取を申し出られても断らなければなりません。違法な業者かどうかを見分けるために、確認したいポイントを紹介します。
一般破棄物収集運搬業の許可があるかどうか
この許可がなければ業者としてエアコンの回収をすることができないため、許可を得ているかを確認しましょう。
所在地など業者の情報があまり明記されていない
業者の住所や連絡先などの情報が明記されていない場合は、注意が必要です。
家電リサイクル券を求めない
リサイクル料金を支払い家電リサイクル券を受け取りますが、本来そのリサイクル券を業者へ渡す必要があります。リサイクル券を求めてこない場合は違法な業者である可能性が高いです。
無料で引き取ってくれる業者に注意
無料で回収してくれるという業者を見つけた場合は、よく検討する必要があります。無料で回収してくれる業者の中には換金できず使えない部分を不法投棄したり、冷媒ガスの処理を行わないなど法律遵守で行わない業者もあります。違法な業者ではないかどうかを、しっかりと確認するようにしましょう。
エアコン回収が可能な業者の見つけ方
エアコンの取り外しだけでなく回収が可能な業者は「一般破棄物処理業許可」の資格を持っている必要があります。この資格を持っていると、家庭から出る破棄物を回収することができます。業者のホームページなどで、きちんと資格を持っているかどうかを確認しましょう。
産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可を受けていたとしても、家庭から出る廃棄物を回収することはできません。これらの許可を受けている業者であっても、一般廃棄物処理業許可の資格を持っていない場合は、回収を依頼しないようにしましょう。
まとめ
エアコンを処分する場合には、以下のような様々な注意点があります。
・エアコンの破棄方法は買取や指定引取り所への持ち込み、家電量販店の利用などがある
・室外機の設置位置などによっては追加料金が発生する場合があるため、事前にきちんと見積りをしてもらう
・リサイクルショップに買取をしてもらう場合、取り外してあると動作確認ができず買取不可となる場合がある
・処分してもらう場合にはリサイクル料金がかかる
・業者の所在地や資格の有無などを確認して、違法な業者かどうかを見分ける
エアコンはきちんとした手順で処分をする必要があるため、業者へ依頼する前にまずは上記のことを確認しましょう。事前に訪問見積りをしてもらうことで追加費用の発生を防ぐこともできるため、業者の人ときちんと話し合いどのようにエアコンを処分するかを決めましょう。