入居時や退去時にエアコンを設置、移設する場合はエアコン工事を行います。それらの工事には、どの程度時間がかかるかをご存知でしょうか?エアコンの工事はその作業内容によって施工時間が変わってくるため、依頼する際はどのような作業が必要なのかをあらかじめ理解しておきましょう。工事にかかるおよその時間を、自分で計ることができます。
今回はエアコン工事にはどれくらいの時間がかかるのか、工事内容ごとに解説します。エアコン工事を検討中の方はぜひお役立てください。
エアコン工事にかかる時間
エアコン工事にはエアコンの取り外しや取り付け、修理などがあります。それぞれの工事内容によって施工時間が大きく変わってきます。 まず、取り付け工事の場合は、1台設置するのにだいたい1時間から2時間程度かかります。取り外し工事の場合は、1台30分から1時間程度です。修理の場合は内容によって時間が異なりますが、どんな内容でも1時間以上はほぼかかるといえるでしょう。
ここではそれぞれの工事でどのような作業を行うのかについて、ご説明します。
エアコン取り付け工事の場合
エアコン取り付け工事の場合は、1台設置につき1時間から2時間ほどかかります。修理の内容によっては修理するよりも取り換えた方が安く済む場合や、早く済む場合があります。
エアコンの取り付けでは以下の作業を行います。
1.室内機の取り付け
2.配管、ドレンホース、信号線を室内機と接続
3.室外機の取り付け
4.真空引き
5.動作確認
エアコン取り外し工事の場合
エアコンの取り外しは、1台につきだいたい30分から1時間かかります。
エアコンの取り外しでは以下の作業を行います。
1.ポンプダウン作業
2.室外機の取り外し
3.室内機の取り外し
4.配管、ドレンホース、配線の取り外し
5.パテで穴埋め作業(専用キャップがあれば取り付け)
エアコン修理工事の場合
エアコンの寿命は13年程度といわれています。そのため、保証期間を10年ほどに設定しているメーカーが多いです。長く使用していくうちにエアコンの効きが悪くなったり異音がしたり、室内機から水が漏れるなどの症状が現れます。こういった症状が現れた場合はエアコン修理が必要になるでしょう。
修理の場合は故障内容により異なります。冷媒ガス切れの修理方法はガス補充を行うだけですが、それでも1時間以上はかかってしまいます。冷媒ガスが切れた場合のガス補充をするだけでも、ガス漏れの点検・ガスの補充・真空引きなどさまざまな作業をしなければなりません。そのため、すぐに修理が終わるというケースは少ないです。
ガス漏れなどは修理したとしても、再発してしまう可能性があります。こういった故障の場合は、修理よりも買い替えのほうがよい場合もあります。
エアコン工事が延長するケースと注意点
依頼したエアコン工事にどの程度時間がかかるかを調べていても、当日になり工事時間が延長してしまうことが、エアコン工事ではよくあります。施工条件や追加工事などにより時間が大きく変わってしまうこともあるため、注意が必要です。ここではエアコン工事が延長するケースと、注意点について説明します。
追加工事が発生した場合
標準工事に加えて追加工事が発生した場合は、工事時間が長くなります。
エアコン用コンセントを開設する場合
エアコンを取り付ける場合、取り付け場所の横にエアコン用コンセントが必要になります。部屋にエアコン用コンセントがない場合に新しくコンセントを開設するための工事です。
エアコン用コンセントの電圧を変更する場合
エアコンによって必要な電圧が変わってきます。コンセントの電圧とエアコンの電圧が合っていない場合に電圧を変更する工事を行います。
化粧カバーを取り付ける場合
エアコンは配管が露出してしまうため、見栄えが悪くなってしまいます。配管部分に化粧カバーというプラスチックのカバーをかぶせることで、見栄えをよくする工事です。
エアコンの配管を延長する場合
室外機と離れた場所へ室内機を設置するため、配管が4m以上必要になった場合に行う工事です。
壁に配管用の穴を開ける場合
配管用の穴がない場合は新しい穴が必要になります。壁が木材以外の場合に、配管用の穴を開けるための工事です。
エアコン新設の場合
エアコンを新設する場合、配管を通す穴があるかないかによって施工時間が変わってきます。穴がない場合は、穴を開ける工事をしなければなりません。その際、壁の材質によっても、施工にかかる時間が変わってきます。
木造住宅など穴を開けやすい材質の場合は、比較的簡単に穴を開けられるため施工時間は短めです。鉄骨や鉄筋コンクリートの場合は穴を開けるのが難しい場合もあり、時間がかかりやすいといえます。
エアコンの型が特殊な場合
取り付けを依頼しているエアコンが、一般的な家電量販のものとは違うタイプである場合、取り付け方法や交換方法が一般的な家電量販モデルと異なる場合があります。そういった場合は、技術的に対応している業者でないと工事が難しい場合があります。設置するエアコンが業者に対応してもらえる種類かどうか、事前に確認しておくのがよいでしょう。
工事の時間指定ができないことが多いので注意
エアコン工事は時間指定ができないことが多いという特徴があります。エアコン工事は、急な追加工事発生が起こりやすいからです。工事をしなければ設置できない環境という場合もあれば、移設をする際にフィルターやフィン、配管など部品の劣化や損傷が見つかり、交換することになるという場合もあります。
時間を延長しなければならないケースも多いため、業者の多くは時間を指定して予約することができません。事前にだいたいの時間を予想していても、追加で時間が延長されることもあるため、注意が必要です。エアコン工事をする際は、時間に余裕のある日に依頼をするようにしましょう。
エアコン工事を依頼する前におさえるべきポイント
現在エアコン工事はネットから簡単に予約を取ることができるようになり、事前にしっかりと打ち合わせをせず手軽に行うという方も増えてきていると思います。しかし事前の打ち合わせを怠ることで予想よりも施工時間がかかったり、費用が高くなったりすることがあります。このような事態を防ぐため、工事の予約を取る前に一度確認しておきたいポイントを紹介します。
エアコン需要が高い季節を避ける
夏や冬が近づくころはエアコンの掃除など、準備をし始める人がとても多いです。試しにつけてみてエアコンの不具合を発見し、修理を依頼するなど夏や冬などエアコン需要の高い季節はエアコン工事も混み合います。そのため、不具合を発見し工事を依頼しても、すぐに予約を取れず待つことになる場合もあります。エアコン需要の高い季節は混み合いますので、なるべく避けるようにしましょう。
エアコンの設置環境を確認しておく
エアコンの工事に来てもらったら追加工事が必要になったというケースはとても多くあります。通常の工事内容で施工できると思い予約しても、実際に訪問してもらったところ通常よりも長い配線が必要な環境だったことが判明し、追加工事が必要になったなど、パターンは様々です。このように後から追加工事が発生するのを防ぐためには、前もって以下のような環境を確認しておくことが大切です。
・エアコンを設置する部屋にエアコン専用のコンセントがあるかどうか
・エアコンを設置するために必要なスペースがあるかどうか
・室外機を設置する場所があるかどうか
・設置するエアコンは現在のコンセントの電力で使用できるか
エアコンを賃貸住宅(アパート・マンション)に取り付けるまえの確認事項をチェック
賃貸住宅へエアコンを取り付けたいという場合は、事前に確認しておきたい項目があります。確認を怠ることで、後から大家さんや管理会社とトラブルになるケースもあるため、きちんと確認しておきましょう。
・配管を通す穴は開いているか
・配管穴が無い場合は新しく穴を開けてもいいかどうか
・エアコンを取り付けた部分の修繕費が退去時に必要かどうか
・エアコンの取り付け工事費用は誰が負担するのか
などを、前もって確認しておきましょう。
まとめ
ウェブサイトなどに載っているエアコン工事にかかる時間や費用には、基本的に追加工事の時間や費用は入っていないため、実際に工事に来てもらったら、予定よりも時間や費用がかかったというケースが多くあります。そうならないために、以下のポイントを押さえておきましょう。
・エアコンを1台設置するのには1時間から2時間ほどかかる
・エアコンを1台取り外すのには30分から1時間ほどかかる
・エアコン修理は簡単な施工でも1時間はかかる
・コンセントの開設、電圧変更、配管の延長、配管穴を開ける必要がある場合は費用と時間追加でかかる
・エアコンの需要が高い季節は業者の予約も混み合う
エアコン工事をするときは、以上のことを踏まえて予約をするようにしましょう。エアコン工事をする場合は、時間に余裕を持っておくことが大切です。また、追加工事がないようにするには、事前に訪問見積もりをしてもらうのが効果的です。エアコン工事ついて疑問に思う点や不安な点がある場合は、業者へ一度相談してみるとよいでしょう。