みなさん、エアコンはしっかり掃除されていますでしょうか。「そろそろ掃除したいな……」「なんかカビっぽい臭いがするから掃除しなきゃ……」と思っている方も多いと思います。
そんなとき、どこをどのように分解すればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。また、エアコンを掃除することによってたくさんのメリットがあることをご存知でしょうか。
今回は、「エアコンを掃除するメリット」「エアコンの分解の仕方」「掃除頻度」についてご紹介してまいります。
目次
エアコンを分解クリーニングする効果
エアコンを掃除すると、たくさんのメリットがあることをご存知でしょうか。「エアコンの臭いが気になったから」「くしゃみが出てきたから」ということでエアコンを分解して掃除する方が多いと思います。
しかし、それ以外にもエアコンを掃除することで得られる効果はたくさんあるのです。ご紹介していきますね。
アレルギーや肺炎の予防になる
エアコンを隅まで掃除すると、アレルギーや肺炎の予防になります。エアコンをこまめに掃除しないと内部にどんどんホコリやカビがたまってしまい、エアコンを稼働させたときにたまったものが部屋中に広がってしまいます。このホコリやカビが原因で体に影響が出てしまう可能性があるのです。
お部屋の空気をできるだけきれいに保てるように、こまめにエアコンの内部を掃除して、ホコリやカビを取り除きましょう。免疫力の弱い小さいお子様や高齢者がいるお宅は、とくに注意しておかなくてはいけませんね。。
温度調整の機能が向上する
エアコンを分解して細かなところのゴミを取ることによって目詰まりなどが改善し、エアコン内部の空気の通りがよくなります。内部の風通しがよくなることによって、空気を冷やしたり温めたりすることがスムーズになるのです。
空気を冷やしたり、温めたりすることがスムーズにおこなわれると、早く部屋の温度を調節することができるのです。「早く涼しくしたいからたくさん温度を低くしよう!」「今すぐ温まりたいから高くしよう!」と温度を極端にすることも減ってくるのです。
電気代が安くなる
エアコンにホコリなどが溜まってしまっていると、冷たい空気を作るための空気が上手く吸い込めなくなります。そうすると、たくさんの空気を吸い込もうとしてしまい、その分の電力を消費してしまいます。
エアコン内部の掃除をすることによって、風通しがよくなりエアコンの稼働がスムーズにおこなわれます。無駄な電気を使わずに動かすことができ、エアコンの効きもよくなって電気代の負担も軽減することができるのです。その結果省エネを期待でき、電気代も安くなりますよ。
風の勢いが強くなる
目詰まりが改善されれば、当然風の通りがよくなります。「暑いからもっと風量を上げよう!」「温まりたいから風を強めにしよう……」とするときも、余分に風圧を上げなくても必要な分の風量で満足することができるのです。
また風の勢いがよくなってもエアコン内部の掃除をしたので、ホコリやカビが飛んでくる心配もありません。エアコンを分解して掃除をすることによって体にも家計にもメリットがあるんですね!
エアコンの分解クリーニングに必要な道具
では、実際にエアコンを分解して掃除をする際に必要な道具はなにがあるのでしょうか。ご紹介していきますね。
・脚立
高い場所にあるエアコンを掃除するのには必須のアイテムとなっています。イスなどで代用する方もいらっしゃると思いますが、その場合は、しっかり安定しているものを選びましょう。
・ドライバー
エアコンを分解するのに必要なアイテムです。基本的にプラスドライバーとマイナスドライバーがあれば、エアコンは分解できます。
・洗剤,エアコンスプレー
洗剤は中性洗剤のものを使うようにしましょう。アルカリ性や酸性のものでは洗浄力が強すぎて部品を傷めつけてしまうおそれもあります。
・ブラシやスポンジ
柔らかいブラシやスポンジを使うようにしましょう。硬いものですと、部品にキズが付いてしまうおそれがあります。そうすると、そのキズにカビなどがはいりこんでしまうこともあるからです。
・養生シート
こちらは、エアコンを分解している際や掃除をする際に必要です。部屋に汚れや跳ね返った水などが付着しないようにするためです。ビニールの端に粘着テープが付いているもので、ホームセンターなどで簡単に手に入れられます。
・バケツ
養生シートから伝ってきた廃液をためるために必要です。バケツがあることによって部屋に汚れた液がこぼれるのを防ぎます。バケツがないときは、廃液をためることのできる容器でしたらそちらで代用することもできます。
エアコンを分解クリーニングする方法
では、実際にエアコンを分解して掃除する手順をご紹介していきますね。手順を間違えてしまったり無理におこなったりしてしまうと、感電や故障の原因になりますのでご注意してください。
1.コンセントを抜く
まずはコンセントを抜きましょう。エアコンは室内機と室外機があると思いますが、室内機のコードしかありませんので、コンセントは1つ抜けば完了です。
また、このときにコンセントのホコリなども取っていきましょう。コンセント付近のホコリは火災の原因にもなりますので、ついでにやっておきましょう。コンセント近くのアースもプラスドライバーを使って外していきましょう。
2.フィルターやパネルを外す
次に、エアコンのパネルを取り外していきましょう。パネルの付け根の部分を手前に引っ張って、持ち上げてください。そうすると簡単に取り外すことができます。
このときにフィルターも外してホコリも取っておくようにしてください。フィルターは浴室などで、シャワーをフィルターの裏側からあてて水洗いしてください。
一般的に、フィルターの表にホコリなどが詰まっています。もし表からシャワーを当ててしまうと、フィルターの目にホコリが詰まってしまう場合があるので注意しましょう。
3.ルーパーを外す
次に、ルーパーなど細かいパーツを取り外していきます。ルーパーとは、エアコンが稼働しているときに動いている羽のことです。
ルーパーは取れる角度が決まっていますので、ルーパーを開けたり閉めたりしながら試してみてください。無理に外すと割れたり折れたりしてしまうので、気を付けましょう。
4.本体カバーを外す
次に、エアコンの本体カバーは、プラスドライバーを使って取り外します。右側にある電源部カバーを取り外し、電源部の横のネジを外してエアコン本体の左のネジも外すとカバーが取れます。
カバーを外すときは、カバーをしたから持って手前に引いてください。このときに電源部も外していきましょう。無理に引っ張ると線が切れてしまう可能性がありますので、慎重におこなってください。
5.電装品を外す
カバーを取り外したら、いよいよ細かいパーツを取り外していきます。電源部には電装品が組み込まれていて、配線が固定されているためマイナスドライバーを使って外します。
むやみに取り外そうとすると破損してしまうおそれがありますので、外れないときはペンチなどで配線を1本ずつ外していきましょう。
次に、機種によりついているイオン発生器を外していきます。下側にあるネジを回すと簡単に外れます。ネジで固定されているものが多いので、ドライバーで外していきましょう。また、取り外した際に部品を落とさないようにしましょう。
温度センサーは、引っ張ると簡単に外すことができますが、無理に外すと線が切れてしまいますので注意してください。最後に熱交換器と電源が繋がっているアースを取り外せば、電装品の取り外しは終わりです。
6.ドレンパンを外す
ドレンパンとは、暖かい空気を冷やす際に出てきた水分をためる受け皿のことです。これに汚れなどがたまってしまうと水があふれてしまい、吹き出し口から水が出てきてしまうことがあります。
ドレンパンはエアコンのフィンの下あたりにあります。エアコンの左側にあるネジを外し、右側にあるネジも取るとドレンパンが見えてきますのでゆっくり外してください。無理矢理引っ張ると破損の原因になります。また、たまった水分がこぼれてしまいますので、気を付けてくださいね。
7.取り外したパーツを洗浄する
次に、取り外した部品を洗浄していきましょう。中性洗剤を使ってスポンジで優しく洗っていきます。中性洗剤は水やぬるま湯で薄めて、霧吹きに入れると使いやすいですよ。中性洗剤はあらゆる掃除に役に立ちますので、霧吹きをあらかじめ作っておくと色々な場所で使えるでしょう。
また、取り外した部品に電装品が付いている場合は、水に触れないようにその部分をビニール袋等で覆うようにしてください。もし電装品に水がかかってしまうと、故障の原因になってしまうおそれがあります。
高圧洗浄機で部品を洗う方は、周りに水が飛び散ってもいいような場所でおこなってくださいね。また、部品が割れてしまったり折れてしまったりしないように、細かい部品はスポンジでの洗浄をおすすめいたします。
8.熱交換器を洗浄する
熱交換器の洗浄を始める前に、エアコンの周りに養生シートを貼ります。このとき、壁や床などに汚れがしたたり落ちてもいいように貼ってください。
貼り終わったら、エアコン洗浄スプレーを熱交換器に吹きつけてください。洗浄スプレーは種類によって使い方が違うので、説明にしたがっておこなってください。
一般的なエアコン洗浄スプレーの場合、スプレーを吹きつけた後は水を霧吹きで吹きかけます。たっぷり水を吹きつけたら、ドレンホースから汚れた水が出てきます。
ドレンホースとはエアコンで発生した水を排出するホースのことです。スプレーの取り残しがないように、たっぷり水を吹きかけて下さいね。
9.パーツを組み直して完了
最後に、全て洗浄したら組み立てていきましょう。このときも、高い位置での作業になりますので十分に注意しましょう。また、洗浄したパーツは十分に乾燥させてください。乾燥させないと故障やカビの原因になります。
エアコンの分解クリーニングの注意点
自分でエアコンを解体してクリーニングをおこなうと、お金を少しおさえられます。しかし、エアコンを分解してクリーニングをおこなう際には、いくつかの注意点があります。「せっかく掃除したのに……」ということがないように、しっかり注意点も頭に入れておきましょう。
慣れていないと故障する可能性がある
エアコンの分解クリーニングに慣れていないと、無理に部品を動かしてしまったり濡らしてはいけないところを濡らしてしまったりします。そのようなことがあると、故障の原因になります。
また、慣れない作業で体を傷めてしまう可能性があります。力のない方や高いところでの作業が不安という方もいらっしゃると思うので、慣れていないという方は業者を呼んでチェックしてもらうとよいでしょう。
内部に残った洗剤がカビの栄養になる
内部を掃除した際に、手の届かないところにまで洗剤が入ってしまうこともあります。その洗剤を取りきれずに残ってしまうと、カビの養分になってさらに繁殖してしまうのです。
せっかく掃除をしたのに汚れの原因を作ってしまうことになりますので、しっかり取りきるようにしてください。また洗剤だけでなく、洗浄した際についた水分もカビの原因になってしまいます。よく水で洗剤を取りきり、よく乾燥させてくださいね。
エアコンの分解クリーニングの頻度
では、一体どれくらいの頻度で掃除をすればいいのでしょうか。それは、「使用頻度」と「使用環境」によって変わってきます。そうはいっても、「自分の場合はそれくらいの頻度で分解クリーニングをすればよいか全然分からない!」、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、分解クリーニングをおこなう頻度のだいたいの目安をご紹介いたしますね。迷われた方はご参考になさってください。
・1年に1回掃除するケース
毎日エアコンを使用していて、その部屋でタバコなどを吸う場合です。このケースは、使用頻度も環境もフルな状態ですよね。そのような方には毎年1回は分解して掃除することをおすすめいたします。
・2年に1回掃除するケース
ペットを飼っているご家庭では、ペットの毛やダニなどが舞っていることもあり、目詰まりを起こしやすくなります。フィルターをこまめに掃除し、2年に1回は分解して掃除しましょう。
・3年に1回掃除するケース
お家のリビングでしか使用しておらずそれほど汚れが気にならない場合は、3年に1回の分解お掃除で十分です。ただし、ハウスダストやホコリが多いご家庭の方は、フィルターの掃除頻度を上げましょう。
・4年に1回掃除するケース
エアコンは冷房でしか使わないというご家庭もあると思います。そのような場合は、フィルターはこまめに掃除していれば4年に1回の分解お掃除で結構です。
・5年に1回掃除するケース
この場合は、1年に数回程度しか使わないという方の頻度です。ただし、湿気が多くホコリがたまりやすいお部屋で使用している場合は掃除頻度を上げましょう。あくまで目安ですので、明らかにホコリっぽいなどの症状がある場合はできるだけ早めに掃除をしてください。
ちなみに、「シロッコファン」を見れば、掃除をするタイミングを目で確認することもできます。シロッコファンとは、送風する際に使われるファンのことです。ここに汚れやホコリがたまっていたら掃除をしましょう。
エアコンの分解作業に慣れていないならプロに相談を!
「さっそくエアコンを分解して掃除をしよう!」と思っていても、エアコンの分解は難しく、慣れていない場合は掃除をしたのにも関わらず、さらにカビを作ってしまうおそれがあります。
さらに、高いところでの作業でケガをしてしまう心配もありますよね。安全かつスムーズにエアコン掃除をおこなうためにも、プロの専門業者の方にご相談をしましょう!
プロに依頼すると、専門の道具を使ってエアコンの内部の掃除だけでなく、今後の使用に関するアドバイスなどもしてくれる業者があります。また、プロによる作業はスムーズで時間の短縮にもなり、おすすめです。
また料金に関して心配されている方もご安心ください。事前にお見積りを作成してくれる業者もいますので、あらかじめ料金を確認することも可能です。まずは相談したいという方は、お気軽に連絡してみましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか。エアコンを分解掃除すると、アレルギーや病気の原因を取り除くことができ快適な環境で過ごすことができます。さらにエアコン内部の回転率が上がり、余分な空気を吸い込むことが減り、必要な分だけの風量で使用することができます。
また、電気代の節約も期待できますよ。ご自身で掃除をおこなう際は、高い場所での掃除になるので気を付けましょう。そして、洗剤の取り残しなどが新たな汚れにつながりますので、隅々まで取りきるようにしてください。
フィルターの清掃酒なら簡単ですが、ご自身でエアコンを分解して隅々までお掃除するのは時間も手間もかかりますので、ぜひプロの方にご相談してみてはいかがでしょうか。