「エアコンの取り付け費用を節約したい」そう考えたらそのエアコン、自分で取り付けてみてはいかがでしょうか?あまり知られていませんが、エアコン設置にも費用がかかります。その金額はときに数万円単位、節約できるならしたいところではないでしょうか。
今回はエアコンの取り付け、取り外し方法を、必要な道具とともにご紹介します。詳しいエアコンの取り付け手順、取り外しの手順を順番に解説。また、「作業、できそうにないな」と感じたかたに向けて、お得な業者選びの方法も解説します。
これからエアコンを取り付けたい、取り外したいと考えているかたは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
エアコンの取り付けや取り外し…自分でもできるの?
エアコンの取り付けや取り外しの作業を、自分でおこなうことは可能です。この作業に必要なのは、時間と道具と行動力です。これらがあれば自分でエアコンを取り付けたり、取り外したりすることができます。
エアコンを新しく購入した場合は、そのまま購入したお店でエアコンの取り付け依頼をすることがほとんどでしょう。しかし、お店に依頼してエアコンを取り付けてもらうのは、作業費用として約1~2万円がかかるといわれます。
この金額が安いと見るか、高いと見るかは人それぞれですが、節約できるものならしておきたい。そんなかたに、自分でおこなうエアコンの取り付け作業はよいかもしれません。
しかし、自分でエアコンを取り付ける際の注意点として、ひとつだけ先にお伝えしたいことがあります。それは、自分でエアコンを取り付けると、「故障の際に保証を受けることができなくなることがある」ことです。
この点は、作業前にあらかじめ承知のうえ、次の手順にお進みください。
エアコンの取り付けをやってみよう!
ここで紹介する手順は、一般的なエアコンの取り付け手順です。実際に作業をする際は、こちらの内容以外にも、エアコンの取扱い説明書などを参考にしつつ、おこなうようにしてください。
エアコンの取り付け作業。まずは、作業に用いる道具から準備していきましょう。
【特殊】エアコン取り付け用の道具
ここで紹介するのは、エアコン取り付け用の特殊な道具です。これらの道具をあらかじめ持っている人は少ないでしょう。そろえるときは、購入よりも費用が抑えられる「レンタルサービス」を使うのがオススメです。細かい道具のリストは下記のものです。
・トルクレンチ
・電気ドリル
・コアドリル
・フレアツール
・真空ポンプ
・真空ゲージ
・ガス漏れ検知器
これらの道具は、ご家庭で使うこともそうそうありません。そのため、使いかたの想像がつかないものがほとんどでしょう。そろえる道具に不安がある場合は、レンタルを依頼するときにお店に確認を取るようにしてください。
【家庭にある】エアコン取り付け用の道具
こちらの道具も必要ですが特殊なものはなく、一般家庭にあるような道具です。すでにご自宅にあれば、新しいものをそろえる必要はありません。
・ドライバー
・ペンチ
・ニッパー
・モンキーレンチ
・六角レンチ
・スパナ
【8ステップ】エアコン取り付けの手順
エアコン取り付けに必要な道具をひととおり揃えたら、エアコンの取り付け作業を進めていきます。実際の手順は下記のとおりです。ひとつひとつおこなっていきましょう。
・配管用の穴をあける
壁にエアコン取り付け用の穴をあけていきます。使う道具はコアドリル、壁の素材に合ったドリルを用います。
・据付板を取り付け、室内機を引っ掛けて固定する
据付板エアコンを壁に掛けるために取り付ける板です。ネジで壁に固定します。
・フレア加工をする
フレア加工は配管をつなげるための作業です。フレアツールを使って、銅の管をラッパ上に広げます。このときの注意点は、内部に水滴が入らないようにすることです。理由は手順紹介後に解説します。
・室外機に銅管と配線をつなぐ
室内機から出た同線や配管を室外機につなぎます。また、排水用のドレンホースをつなぎます。
・真空引きをする
取り付け作業で、もっとも重要な工程です。配管や室外機の内部を真空にし、空気や水分を完全に除去します。使用するのは真空ポンプです。
・真空状態、ガス漏れがないか確認する
真空ゲージを使って、空気の漏れやガス漏れがないか確認します。
・穴のまわり、配管のまわりをパテで埋める
ここまで作業が完了したら、虫や雨の侵入を防ぐために配管回りのスキマをパテで埋めます。
・エアコンの動作確認
最後に、エアコンを運転して正常に動くかどうか確認をして作業は終了です。
エアコン取付の注意点
エアコン取り付けの際、もっとも注意したいのが「真空状態をつくること」と、「冷媒ガスを満たすこと」です。冷媒ガスはエアコン機能の主になるもので、空気の温度を変えるために必要なガスです。
エアコンの配管内や室内機のなかに冷媒ガス以外のものが入っていると、正常に動くことができません。それはたとえば、少しの空気やわずかな水滴でも同様です。これらの要素が残っているとエアコンの動作不良や、最悪の場合エアコンの故障につながります。
せっかくの費用を抑えるためのエアコンの取り付けも、作業手順を間違えるとかえって余計な出費になってしまいます。各作業は丁寧に、かつ入念に進めるようにし、注意しておこなうようにしてください。
エアコンの取り外しをやってみよう!
「エアコンの取り付け手順はわかった、けど私がしたいのはエアコンの取り外しなんだけど…」。もちろん、エアコンの取り外し方法もご紹介します。まずは取り外しに必要な道具から見ていきましょう。
エアコン取り外し用の道具
エアコンの取り外し作業には、取り付け時のような特殊な道具を用意する必要はありません。エアコンの取り外し作業に必要なのは下記のものです。
・ドライバー
・モンキースパナ
・ニッパー
・カッター
・配管用のキャップ
・配管用のパテ
・手袋
【6ステップ】エアコン取り外しの手順
エアコンの取り外し作業は、取り付け時ほど複雑なものはありません。しかし、注意するポイントはありますので、作業をおこなうときは慎重かつ、丁寧におこなうようにしましょう。
・室外機のフタをドライバーで外し、モンキーレンチでバルブのキャップを2つ外す
・エアコンを強制運転させて、冷媒ガスを室外機に送り出す「ポンプダウン」をおこなう
取り外しの作業で最も大切なのがこの「ポンプダウン」の作業です。詳しくは手順紹介のあとに解説します。
・室外機の配管を外し、室外機を撤去する
・室内機を持ち上げ、配線や配管を1m以上残して切る
・室内機を外して撤去する
・壁に開いた穴に配管用のキャップを付けてパテで固めてふさぐ
エアコン取り外し時の注意点
エアコンの取り外し作業で、一番注意したいのが冷媒ガスの管理です、冷媒ガスはフロンガスとも呼ばれ、大気中に放出されると大気汚染の原因になります。冷媒ガスを処理するポンプダウンは、確実におこなわないと法律違反になってしまいます。
取り外しの手順にある「ポンプダウン」は確実、丁寧に。手順は室外機の送り側のバルブを閉め、ガスの通り道を室内機から室外機への一方通行にします。その後、強制運転で室内機と配管内の冷媒ガスをすべて室外機に送り、内部に閉じ込めます。
エアコンの取り付け作業に比べ、取り外しの作業は簡単そうに見えるでしょう。しかし、なかには慎重におこなう必要のある手順が含まれます。
自分でおこなうときは自己責任になってしまいます。その点はあらかじめ理解したうえで、作業にのぞむようにしてください。
エアコンの取り付け・取り外しはプロに頼んだほうがよいかも
ここまで、エアコンの取り付け、取り外し方法について紹介してきました。エアコンの構造はほかの電化製品に比べて複雑です。コンセントを差せばすぐに使える、というものでもありません。その原因のひとつは、室内機と室外機の構造にあります。
室内機と室外機は、それぞれ別の働きがある機械です。しかしこれらはふたつでひとつ。しかも運転中の連動のみではなく、配管内に「冷媒ガス」というガスを共有して抱えています。
エアコンの取り付け・取り外しには手間がかかる
冷媒ガスはエアコンの要。温度調節には欠かせないガスですが、取り付け、取り外し作業の際には、その管理がネックになります。先にも述べたとおり冷媒ガスは大気放出NGのガスです。そのため、処理する際は細心の注意が必要になります。
また、エアコンの取り付け時にも同様の注意が必要です、エアコンの効きは冷媒ガスに依存します。
室内機と室外機、それらをつなぐ配管には、わずかな水滴も空気も混ざってはいけません。この特殊な構造と冷媒ガスがエアコンの取り付け、取り外しの大変さにつながります。
エアコンの取り付け・取り外しはプロに任せた方が確実
エアコン取付の際の作業「真空引き」。取り外しする際に必須の作業「ポンプダウン」。どちらの作業も、入念な確認と慎重な作業が必要です。わずかなミスが命取りです。経験のある方ならともかく、未経験の方がおこなうには難しいといわざるを得ないでしょう。
また、とくにエアコンの取り付け作業は必要な道具のレンタル費用や足りない道具の買い足しなどで、結果的に業者に依頼する設置費用よりも高くなってしまうことがあります。
複数台のエアコンを取り付けるならよいかもしれませんが、一台では費用面でもあまりオススメすることはできないかもしれません。手間やコストなどを考えてみると、最終的には業者に依頼をしてしまったほうが安全で確実、かつ節約になる可能性もあるのです。
優良業者を見つけるためのポイントとは?
自分でエアコンを取り付けたり、取り外したりするのはなんだか難しそう。いちど挑戦してみるのもよいかもしれませんが、万が一取り付けに失敗した場合も、結局業者に相談することになります。不安なかたは、初めから業者に相談するほうがよいかもしれませんね。
エアコンまわりの取り付け工事や、取り外し工事依頼をする業者の選びかた。優良な業者を見極める方法は下記の方法を用いましょう。
・相見積りをとる
・公式サイトで実績の確認
・相見積りを取る
相見積りは複数の業者へ見積りを依頼し、作業の費用と内容を比較して検討する方法です。相見積りのよいところは、業界の費用相場もわかるところです。悪質な業者に引っかからないためにも、ぜひ試していただきたい方法です。
・公式サイトで実績の確認
相見積りを依頼する際は、インターネットの比較サイトを使うのが便利です。しかし、個々の業者の詳細はそれぞれの業者の公式サイトを確認するほうがよいでしょう。
今までの作業実績や施工例を写真付きで掲載しているところもありますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
まとめ
エアコンの取り付けや取り外し作業の方法を紹介してきました。どちらの作業も確かに自分でおこなうことが可能です。しかし、エアコンの取り付けには「真空引き」が、取り外しには「ポンプダウン」が難関として待ち受けています。
これらの作業は一歩間違えるとエアコンが正常に作動しなくなるだけでなく、故障の原因にもなりかねません。節約するつもりでおこなった作業が故障の原因になってしまっては本末転倒です。不安な方は、業者依頼を検討したほうがよいでしょう。
毎日の生活を快適にしてくれるエアコンは、現代の日本にはもはや欠かすことのできない生活のパートナーです。今回の記事を読んで「自分でもできそう」と感じたかたは、ぜひチャレンジをしてみてください。