みなさんは、ご自宅で使用されているエアコンの掃除を、いつおこなっていますか?夏と冬のシーズンがおわると、翌年までほったらかし……という方もいると思います。夏と冬は、エアコンをつけている頻度が多いから掃除はなかなかできないですし、春と秋はエアコンを使用しないので掃除を忘れてしまいますよね。
しかし、一年中掃除をせずにおわってしまうと、湿度によってエアコン内にカビが生えてしまうのです。そうならないためにも、今日は「エアコン掃除におすすめの時期と掃除方法」について紹介したいと思います。
エアコン掃除のメリット
エアコンを掃除することによりメリットがあります。それは、掃除することによってエアコンの効きがよくなり、カビの除去をすることによってエアコンのいやな臭いもなくなります。ではなぜ、これらのことが改善されるのでしょう?
エアコンの効きがよくなる
エアコンの効きがよくなるのは、エアコン内にたまったホコリを掃除により除去できたからなのです。では、エアコンのどこにホコリがたまりやすいのか知っていますか?
エアコンは、フィルター→熱交換器→ファン→吹き出し口といった順で空気を排出しますフィルターは、空気が室内機に吸い込まれるとき空気に含まれるホコリやゴミをろ過して空気をきれいにする役割をもつ、網状の部品のことをいいます。
熱交換器とは、取り込んだ空気を暖かくしたり冷たくしたりする部品です。そして、その空気がファンの回転によって吹き出し口へと流れていくのです。また、ファンは空気を循環(じゅんかん)させる役目もあるので、吸い込んだ空気内の湿度を調節する役目もあります。
このような理由から、室内の空気を取ると同時に、空気中にとんでいるホコリを取る役目もあるフィルターにホコリがたまりやすいのです。フィルターにホコリがたまると、空気を吸い込む際に流れがさえぎられてしまうのと同時に、より多くの空気を吸い込もうとするので電力を消費し、多く電気代がかかってしまうこともあるのです。
エアコンのフィルターについているホコリを取り除くことでエアコンの効きがよくなり、快適な温度で過ごすことができるようになるのです。
カビを取り除く
ホコリ除去が大切だとお伝えしましたが、それだけで大丈夫ということではありません。カビも取り除かなくてはならないのです。そもそも、カビはエアコンのどこに発生するのでしょう。
カビは、エアコンの奥にあるフィンという箇所に発生することが多いです。そのまま放置すると、さらにカビが繁殖し取れにくくなってしまうこともあります。
また、カビは私たちの身体にも悪影響を及ぼしてしまうのです。カビによって喘息(ぜんそく)になったりアレルギーや過敏性肺炎(かびんせいはいえん)などの病気にかかったりしてしまうこともあるので、定期的にカビも取り除きましょう。
エアコンの臭いがなくなる
さて、ホコリやカビを取り除くことにより臭いがなくなるのですが、いったい臭いの原因はどこからくるのでしょうか。もちろん、カビを放置することによりカビ臭さがでてきますが、そのほかにも臭いの原因はあります。
エアコンの設置個所がキッチンに近い場合は、調理の際にでる水蒸気をエアコンが吸い込み、それが臭いのもととなったり、たばこの臭いやヤニが汚れや臭いの原因になったりもします。カビとホコリだけが臭いの発生源ではないのです。
エアコンを掃除する時期は春がおすすめ!その理由は?
エアコンを掃除する場合は、春がおすすめです。では、なぜ春がいいのでしょうか。
気候がちょうどよい
エアコン掃除を春におこなうのがよいとされる理由は、掃除するにはちょうどよい気候だからです。夏は、気温が高くエアコンを停止して掃除することができません。そして、冬は気温が低く、汚れが固まってしまうので落としにくいからです。
そのため、気温が高くも低くもなく、あまりエアコンを使わなくなった春がちょうどよいのです。
カビが繁殖する前の掃除で夏が快適に
しかし、春の掃除のタイミングをのがしてしまうと、次にやってくるのは梅雨です。ジメジメとした梅雨は、一番カビの増殖が多い季節といわれています。汚れやカビをつけたまま夏にエアコンを起動させれば、空気中にホコリやカビが拡散されることにもなりかねません。
春に一度掃除をして汚れを落とすことにより、快適な夏が過ごすことができたら気持ちがいいですよね。
エアコンクリーニングの予約が取りやすい
もし、専門の業者にエアコン清掃を依頼する場合、一番予約が取りやすいのは春です。多くの方は、夏にエアコン掃除の依頼をするので、比較的春は予約が取りやすいといえます。
エアコンクリーニングにかかる時間は、約1~2時間弱くらいです。そのあいだは、電源を切ることになるので、最適な気温の春に予約しておくとよいでしょう。プロに掃除してもらうことにより自分の手では届かない隅々なところまで掃除してもらえるので、自分でおこなうよりも効果的なクリーニングができるでしょう。
赤ちゃんや高齢者に負担がかからない
エアコンを消していて一番負担がかかるのは、赤ちゃんや高齢者です。自力で体温調節の困難な赤ちゃんが快適だと感じる温度は、夏だと26度から28度、冬は20度から23度といわれています。
夏にエアコンを切ってしまうと熱射病にかかる可能性が高くなり、冬は低体温症にかかってしまうおそれがあります。このような点でも、エアコンを掃除するのは春がよいですね。
自分でできる!エアコンの簡単お掃除方法
エアコンを掃除するといっても、どうやったらいいのか、なにを使えばいいのか、どこまで部品を取り外して掃除するのか……と思うかもしれません。ここでは、自分でもできるエアコンのお掃除方法について紹介します。ご家庭にあるもので掃除できてしまうので試してみてくださいね。
<はじめに用意するもの>
- きれいな雑巾
- 古歯ブラシ
- キッチンペーパー
- 割りばし
エアコンの外側のホコリを乾いた雑巾で拭く
まず、掃除をする前に、エアコンの電源は切りコンセントは抜いておきましょう。フィルターは取り外さないまま、掃除機でフィルターについているホコリを吸い取ります。ある程度吸い取ることができたら乾いた雑巾で外側を拭いてください。
フィルターを取り外して水洗いする
次に、エアコンのふたを開けて、フィルターを水洗いします。開け方は、エアコンの両サイドについているつまみを掴んで開けると中のフィルターを取り外すことができます。ゆっくり取り外したら、一番多くホコリがついている表面を掃除機で吸いホコリを取ります。
掃除機だけでは取り除くことのできなかった部分を水洗いするのですが、このときに気をつけなくてはならないのが、フィルターの裏面から水をあてるということです。表面からあてた場合、ホコリがフィルターの網目につまってしまう可能性があるからです。取り除けなかったホコリは、古い歯ブラシを使って洗うといいでしょう。
そのあとフィルターについた水気を丁寧に拭き取れば、フィルターの掃除は終わりです。しっかり水気を取らないとカビの発生原因にもなるので気をつけてくださいね。
エアコンの吹き出し口を拭く
最期に、エアコンの吹き出し口の掃除方法です。あらかじめ用意しておいた割りばしに、キッチンペーパーを巻き付けて輪ゴムで止めて吹き出し口の汚れを取ります。また、エアコンのルーバーという部分を回して、吹き出し口の中も拭いていきましょう。このときに気をつけなければいけないことは、内部のフィンを傷つけないようにすることです。
お掃除機能付きエアコンはどうする?
お掃除機能付きエアコン、いわゆるロボットエアコンについてご存知ですか?定期的に、エアコンの掃除をしてくれるエアコンのことをいいます。お掃除機能付きエアコンを「自動で掃除をしてくれるから、自分でやらなくてもいい!ラクチン!」と思っている人も多いようですが、じつはそれは間違いなのです……!
たしかに、お掃除機能がついたエアコンは自動でフィルターの掃除をしてくれるので、通常のエアコンに比べて掃除の頻度が減って楽になるでしょう。しかし、基本的にお掃除付きエアコンが掃除してくれる範囲はエアコンの表面部分のみとなるので、一番汚れがたまる内部のフィンとファンはそのままになってしまうのです。そのため、掃除がされていない奥はカビが発生してしまっている状況に……。
そのほかにもお掃除付きエアコンが掃除したゴミを入れるダストボックスは、自分で掃除しなくてはならないということや、ロボットエアコン本体の値段が高額なものが多いです。
エアコンクリーニングを業者に依頼した場合、通常のエアコンのクリーニング料金より、取り外しの手間がかかるロボットエアコンの料金が高くなってしまう場合もあるのです。よい面もあれば悪い面もあるということですね。
まとめ
エアコンの掃除はすこし面倒ですし、構造もわかりにくく壊してしまったらいやだな……と思い、なかなかできないのが悩みですよね。でも、定期的に掃除しておくことで、ご自身も、そして家族も快適に過ごすことができるのです。
しかし、自分でできる範囲にも限界があります。見えにくいエアコン内部など手の届かない場所にはカビが大量に発生している場合もあります。最もホコリやカビがたまりやすい内部の精密部分は、エアコンクリーニングのプロに依頼することをおすすめします。ぜひ一度、この機会に相談してみましょう。