急にエアコンの暖房が停止……そんな経験はありませんか?「ゴォォ……プシュー……」と突然音を立てて暖かい空気を送ってくれなくなる、あの現象です。気温が0度を下回りマイナスになることだってある冬の寒い時期、急な暖房の停止は「故障かな?」と不安に襲われるものです。
ただ、放っておくと再び運転が始まるので一旦安心。そんな不安と安心の繰り返しですよね。この急な暖房の停止、実はエアコンの霜取り運転が原因であることがほとんどです。
「霜取り運転って何?」そんな疑問を持たれた方へ向けて、今回はエアコンの霜取り運転についてご紹介してまいります。
エアコンの暖房が急に止まる理由
エアコンの暖房が急に止まる、その原因は霜取り運転かもしれません。「霜取り運転って聞き慣れない言葉だし、どんな意味があるの?」まずは、そんな疑問を解消しましょう。
エアコンの霜取り運転とは
エアコンは寒い冬にも暖かい空気を室内へ供給してくれます。それは、外に設置した室外機の熱交換機が外気から熱を奪っているから。そんな暖房運転を続けていると、室外機に霜がついてくることがあるのです。
室外機に霜がつくと、暖房効率が悪化します。そこで、エアコンの機能としての「霜取り運転」が開始されるわけです。
霜取り運転が始まると、室内への暖かい空気の供給を一旦停止して、室外機に暖めはじめます。この停止する時間は、おおよそ10分ほど。
その間に霜を溶かして、再度エアコンの暖房がきちんと機能する状態に戻しているのです。どんなエアコンであっても、この「霜取り運転」は避けられません。エアコンの暖房を使う上で、必要な運転なのです。
暖房が止まる前に自分でできる対策法を解説
エアコンの暖房を使う上で必要な運転だとしても、突然暖房が止まってしまうと寒さに震えることになってしまいます。できるだけ霜取り運転の機会を減らしたいですよね。自分でできる対策法をご紹介いたします。
エアコンフィルターを掃除する
エアコンフィルターの汚れも、霜取り運転が頻繁に起こる原因の1つ。フィルターが汚れていると暖房効率が悪く、過剰に熱を使う必要があるからです。フィルターの掃除は水洗いが1番望ましいですが、大変な場合は掃除機で汚れを吸い取るだけでも構いません。
エアコンの温度設定を低くする
外気温と設定温度に大きな温度差がある場合、エアコンの熱交換は活発になります。室内の冷たい空気も室外機を通して外に出す必要があるため、より霜がつきやすい状態となるのです。
寒さが厳しい場合、つい設定温度を高くしてしまいがちですが、18~22度程度の設定温度にしてできるだけ霜取り運転の機会を減らしましょう。
室外機の周りをすっきりさせる
霜取り運転を減らすには、室外機の周りをすっきりさせておくことも大切。室外機の周りに物を置いておくと、室外機周辺の空気の循環が悪くなります。そうすると、室外機が排出したばかりの冷たい空気を再度吸い込むことになり、エアコンの運転が非常に非効率になるのです。
また、雪が降る地域であればエアコンを少し高い場所に設置しておくことも霜取り運転の対策となります。室外機が雪に埋もれては、それこそ霜取り運転ばかりおこなわれて非常に非効率です。周りをすっきりさせ、少し高さのある場所に設置することをおすすめします。
エアコンを寒冷地用のものに交換する
寒冷地用のエアコンは通常のものとは室外機が異なり、霜を防ぐための工夫がされているものがあります。また、暖房機能が通常のエアコンよりも優れていますので、結果的に霜取り運転を防ぐことになるのです。
また、近年では霜取り運転中も暖かい空気を供給してくれるようなエアコンも登場してきています。寒い冬にエアコンが止まるのはどうしても困るという方は、エアコンの交換を検討してみるのもおすすめです。
こんな対策は絶対NG!
室外機の霜取り運転を減らすために、してはいけない対策法もあります。それは室外機にお湯をかけること。お湯をかければ、それだけで霜を取ることができて効率的!そう思われるかもしれませんが、その行為はエアコンの故障の原因となります。
お湯をかけることで室外機の底板には水が溜まり、その水が凍って膨張してしまうと中の部品を故障させてしまうおそれがあるのです。それに、お湯をかけてもまたすぐに凍ってしまうので意味がありません。室外機の霜取りは、エアコンの機能に任せたほうが無難です。
暖房が急に止まるのは霜以外の原因も
冬場のエアコンの停止は、霜取り運転によるものがほとんどです。しかし、その他の原因である場合も……。ここからは考えられる他の原因についてご紹介いたします。
部屋の広さとエアコンの性能のミスマッチ
エアコンの可動域に対して部屋が広すぎる場合、エアコンを精一杯稼働させてもなかなか部屋は暖まりません。過剰な運転を続けたばかりにエアコンが故障してしまい、急な運転の停止が起こった可能性があります。
エアコンを選ぶ際には部屋の広さに合ったものを選びましょう。過剰な運転による故障を防ぐだけでなく、電気代の削減にもつながります。
運転モードや設定温度が間違っている
なかなかエアコンが効かない場合、運転モードや設定温度を誤って設定していることがあります。暖房にしていたつもりなのに、冷房になっていた!よくある設定ミスですよね。なかなか部屋が暖まらない場合は、エアコンの設定を見直してみましょう。
エアコンや室外機のフィルターの掃除不足
エアコンから急に暖かい空気が送られてこなくなった場合、エアコンのフィルターや室外機のフィルターにホコリやゴミが溜まっているのかもしれません。
エアコンや室外機のフィルターが汚れていると上手く空気を通すことができず、空気が出にくくなってしまいます。空気の出が悪いと感じたら、エアコンや室外機のフィルターをチェックしてみましょう。
エアコンの故障
急なエアコンの暖房の停止は故障である場合があります。エアコンが停止して再開しない、スイッチが入らない、運転モードや設定温度は間違っていないのに暖かい空気が出てこない。そんなときには、エアコンの故障かもしれません。
寒い冬にエアコンが使えないとなると死活問題です。寒い冬のエアコンの買い替えは、繁忙期でもあることから設置まで時間を要することも。
そこで、エアコンを修理して使うことをおすすめします。業者に依頼すると、すぐに駆けつけてくれ原因を究明し、修理をおこなってくれます。
エアコンの故障や修理だけでなく、エアコンでのお困りごとの相談にものってもらえるので、エアコンでのトラブルは業者に相談するのがおすすめです。
まとめ
今回は、エアコンの霜取り運転について自分でできる対策法とともにご紹介してまいりました。冬場の急なエアコンの暖房の停止はとても困ってしまいますが、それはエアコンの正常な機能。暖房をきちんと稼働させるため、室外機の霜を落とす運転なのです。
ですが、寒い冬に何度もエアコンが停止しては寒さが堪えます。なるべくなら、霜取り運転の機会を減らしたいですよね。ご紹介したフィルター掃除や設定温度の変更は簡単におこなっていただける対策なので、ぜひ試してみましょう。
もちろん、エアコンの急な停止の原因が、霜取り運転ではなく故障である場合もあります。冬場にエアコンが使えないのは大問題です。
故障かも、と思ったらすぐに修理を業者に相談してみることをおすすめします。今年の冬は、霜取り運転の対策をしながら暖かく快適に過ごしましょう。