業者にエアコンの取り付け工事を依頼しようと考えているなら、まずは工事の費用相場を知ることから始めましょう。
工事の費用相場を知っておくことで、業者に出してもらった見積り額が適正価格かどうかを判断できます。適正価格であることがわかれば、納得してその業者に依頼することができるでしょう。
当記事ではエアコン取り付け工事の費用相場や追加工事が必要になるケース、依頼先やその選び方をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
エアコン取り付け工事の費用相場
エアコン取り付け工事の費用は「標準工事費用+追加工事費用」で決まります。標準的な工事のみであれば、相場は【約1万円~1万5千円】です。この標準工事には以下のものが含まれます。
- ・壁の配管用穴あけ
- ・本体の取り付け
- ・配管類の巻き上げ
- ・室外機の取り付け
- ・真空引き作業
- ・試運転
しかしお家の環境によっては追加工事が必要になることがあり、そうなると相場より高くなることが考えられます。以下では追加工事になりやすいパターンとその費用相場を紹介しますので、ぜひご覧ください。
パターン1.室外機の特殊設置
ベランダに室外機を置く場所がない場合は、特殊な方法で室外機の設置をおこないます。設置方法と費用相場は以下をご確認ください。
・天吊り
これは、ベランダの天井からその名のとおり吊り下げた架台に、室外機を置くタイプの方法です。しかし、この設置方法を利用するには、天井に『天吊り用のボルト』がなければいけません。
これがあるかどうか、事前に確認しておきましょう。費用相場は【約1万3千円~】となっています。
・立ち下ろし
1階に室外機を置き部屋まで配管を伸ばす方法です。配管の長さが4mを超えると追加工事の扱いとなる業者が多く、長くなる分だけ追加で費用がかかります。追加費用は1mあたり【約3千円~4千円】が相場です。
・屋根置き
文字通り屋根の上に室外機を設置する方法です。設置の際には、合わせて専用架台も設置しておきましょう。
なお、屋根置き専用の金具がない場合は、専用金具の新設が必要となります。専用金具がある場合とない場合の費用相場は以下のとおりです。
〇屋根置き(既に金具がある場合) :約7千円~
〇屋根置き(新たに金具が必要な場合):約1万4千円~
・壁面置き
この方法では、専用の架台を家屋の外壁に設置します。その架台に、室外機本体をのせれば完了です。こちらも専用金具があるかないかで費用が異なります。
〇壁面置き(既に金具がある場合) :約5千円~
〇壁面置き(新たに金具が必要な場合):約1万4千円~
パターン2.古いエアコンの取り外し作業
古いエアコンの取り外しも追加工事として扱われることが多いです。費用相場は【約4千円~6千円】となっています。ちなみに、引越し業者の中にはオプションで取り外しもおこなってくれるところがあります。引越しでこれまで使っていたエアコンを新居に持っていく場合には、利用してみるのもよいでしょう。
パターン3.コンセントの増設や交換
たとえば引越し先の部屋にエアコン専用コンセントがない場合や、エアコンのプラグとコンセントの形状が合わない場合は、コンセントの増設交換工事が必要になります。費用相場は交換の場合【約3千円~】、増設の場合【約16,200円~】です。
一方、「200vのエアコンを購入したけれど、家の電圧は100Vのまま」という場合は、電圧の切り替え工事が必要となります。こちらの費用相場は【約6千円~】です。
パターン4.配管やドレーンの延長
「室外機の特殊設置」の中で既に解説していますが、多くの業者は配管やドレーンの長さ4mまでを標準工事内としています。4mを超えると延長1mあたり【約3千円~4千円】の追加費用がかかるので、事前にエアコンを設置する部屋から室外機までの距離を把握しておくとよいでしょう。
パターン5.化粧カバーの取り付け
化粧カバーとはエアコン本体と室外機それぞれから壁の穴まで伸びた配管に被せるカバーのことです。化粧カバーを被せることで見栄えがよくなるだけでなく、室外機側の配管の劣化予防にも役立ちます。
エアコン本体からの配管に化粧カバーを被せる場合は【約7千円~】、室外機からの配管に化粧カバーを被せる場合は【約4千5百円~】です。
工事の依頼先とメリットデメリット
エアコン取り付け工事の依頼先は主に「家電量販店・引越し業者・取り付け工事業者」があります。以下ではそれぞれのメリットデメリットをご紹介するので、依頼先を選ぶ参考にしてみてください。
1.家電量販店
家電量販店に依頼するメリットは、エアコン購入時に取り付け工事も手配してもらえる点です。なぜかというと、多くの家電量販店は、エアコンの本体価格にあらかじめ取り付け工事費用を含めて販売しているためです。そのため、「自分で業者を探すのが面倒」という方にとっては大きなメリットといえるでしょう。
また、家電量販店は店員と直接相談できるので、疑問点があればその場で尋ねることができるメリットもあります。
一方デメリットとしては、実際に工事をするのは家電量販店ではないという点が挙げられます。ほとんどが提携しているエアコン工事業者に委託するため、「知らない業者が来るのは怖い」「業者は自分で選びたい」という方にとっては、家電量販店はあまり向いていないかもしれません。
2.引越し業者
引越し業者に依頼するメリットは、引越しと同時に取り付け取り外しをおこなってくれるので、すぐにエアコンを使用できるようになる点です。「エアコンパック」などの名称でサービスを提供しているところが多いので、「引越し先にエアコンを持っていきたい」という方は、見積り時に申し込むのがよいでしょう。
一方デメリットとしては、3~4月の引越し業者の繁忙期は対応してもらえないケースがあるという点です。引越し業者に工事を依頼したい場合は、必ず見積り時に詳細を確認してください。
3.エアコン取り付け工事業者
エアコン取り付け工事業者に依頼するメリットは、工事を安価で依頼できる点です。エアコン取り付け工事業者は、家電量販店のように間に業者を挟まず、自社で一貫して作業をおこなうので、中間費用が発生しません。そのため作業価格を低く設定することができるのです。「できるだけ費用を抑えたい」という方におすすめの依頼先です。
一方デメリットとしては、業者を自分で探さなければならない点が挙げられます。でも中には「どのように探せばよいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。弊社ではさまざまなエアコン取り付け工事業者をご紹介していますので、お困りのさいはぜひお気軽にご相談ください。
失敗しない依頼先選びのためのポイント3つ
ご紹介した依頼先の中にはさらに多くの業者が存在します。失敗しない依頼先選びをするために、ここでポイントを抑えておきましょう。以下では3つのポイントを解説していきますので、ぜひご覧ください。
1.明確な料金体系と保証制度がある
依頼先を選ぶときは、具体的な工事内容とそれに対する価格がわかりやすく示されているかどうかを確認しましょう。「エアコン取り付け工事の費用相場」でご紹介したように、お家の環境によっては追加工事が必要となるケースもあるからです。まずは見積りを出してもらい、詳細や疑問点を尋ねるのがよいでしょう。
また、取り付け工事後の保証があるかどうかも確認しておきましょう。きちんとした保障をつけているかどうかは、優良業者かそうでないかの判断材料にもなります。
2.豊富な実績と経験がある
ホームページの施工例や口コミなどにも目を通しておくとよいでしょう。実際に工事をしてもらった人たちからの感想や施工例は、その業者がどのようなところなのかを判断するための貴重な材料となるからです。
また幅広いメーカーや種類に対応しているかも確認しておきましょう。エアコンの取り付け・取り外し方法はメーカーや種類で異なるので、幅広く対応しているところは十分な対応力があると判断できます。
3.十分な打ち合わせをしてくれる
打ち合わせは、依頼者と業者それぞれの認識にずれを生じさせないために、とても重要なことです。とくに依頼する側が抱いている、具体的な施工方法や必要時間、詳細費用などの疑問をわかりやすく教えてくれる業者は、信頼できる業者だといえるでしょう。依頼者が打ち合わせで業者に伝えることは、以下の6つがあります。
【打ち合わせで伝えること】
・住宅の種類(戸建住宅・マンション・賃貸物件など)
・取り付けるエアコンの台数と大きさ
・エアコン本体と室外機の設置場所
・エアコン配管用の穴があるかどうか
・エアコン専用のコンセントがあるかどうか
・エアコンの電圧と部屋の電圧が同じかどうか
まとめ
エアコンの取り付け工事費用は「標準工事費用+追加工事費用」で決まります。標準工事のみであれば【約1万円~1万5千円】ですが、追加工事が必要になるとこの相場より高くなることが考えられます。
追加工事に含まれることが多いのは、「室外機の特殊設置」「配管やドレーンの延長」「電圧切り替えやコンセントの増設交換」「化粧カバーの取り付け」「古いエアコンの取り外し」です。依頼前にこれらの工事が必要になりそうか、お家の環境を確認してみてください。
弊社ではさまざまなエアコン取り付け工事業者をご紹介しています。業者探しでお困りのさいは、ぜひお気軽にご相談ください。